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Evidence-based Walking Book
ウォーキング ブック
科学に基づいたウォーキング指導と実践
宮下充正著
B5判 136頁 並製 本文横組14級
定価2,000円(+税)
最近のわが国の調査によると、30歳代、40歳代、50歳代の男性では、BMIが25以上の人の割合が30%を越えています。近いうちに、アメリカと同様に、日本人の半数近くが肥満という事態に至るかもしれません。糖尿病、心臓病予防に有効な身体活動の中で、だれでも手軽に出来るのがウォーキングです。
本書は、内臓疾患の予防ばかりでなく、こころを健全な状態に保つことに役立つことを考え、継続してウォーキングが実践できるようにと、いろいろな方法をわかり易くまとめてみました。たくさんの人たちに役立つことを願っています(本書「はじめに」より抜粋)。
■著者紹介
宮下充正(みやした みつまさ)
1936年生まれ。東京大学大学院教育学研究科体育学専攻博士課程修了後、名古屋大学教養部講師、同助教授を経て、1973年東京大学教育学部体育学講座助教授、1981年同教授、1987年より新設のスポーツ科学講座教授、1997年同大学退職、東洋英和女学院大学人間科学部人間福祉学科教授、2001年同大学退職現在に至る。
現在−−放送大学教授、東京大学名誉教授、アメリカスポーツ医学会(ACSM)評議員、アメリカ体育アカデミー外国人評議員、国際バイオメカニクス学会名誉会員、(財)日本水泳連盟参与、(社)日本ウオーキング協会名誉会長、(社)日本エアロビックフィットネス協会会長。
主な著書−−「子どものからだ」(東大出版会)、「トレーニングの科学」(講談社)、「中年からのスポーツ」(日本経済新聞)、「スポーツスキルの科学」(大修館書店)、「体育とはなにか」(大修館書店)、「あるく−ウォ−キングのすすめ−」(暮しの手帖社)、「勝利する条件」(岩波書店)、「ウォーキング・レッスン」(講談社)、「40歳からの運動のすすめ」(ベースボールマガジン社)など。編著書に「高齢者とスポーツ」(東大出版会)、小社からは「トレーニングの科学的基礎」、「旅に出て、釣る」がある。
■目次
はじめに
序 章 ウォーキングは続けてこそ効果あり
効き目のあるウォーキングをしていますか/ウォーキングで減量に成功した/ウォーキングで健康を取り戻した/ウォーキングで新しい友だちができた/ウォーキングで長い距離が楽に歩けるようになった/歩かなくてもすぐに病気にはならない/1に運動2に食事/便利なものを使う人たち/高学歴、高収入の人のほうがよく歩くという報告
●実践報告——江東区健康センターの「ウォーキング12週間」
第1章 エクササイズウォーキング、さあ今日から始めましょう
まずストレッチング/歩幅を広げて歩く/つま先で蹴って、踵から着地/時速6kmが目標/階段の上がり下りも/何時頃、歩くのがよいか/初心者が自分で手軽にできる「6分間歩行テスト」/ウォーキングイベントに積極的に参加してみよう
第2章 里山を歩いてみよう
「里山あるき」の特徴/「里山あるき」の準備/「里山あるき」で注意すべきこと
第3章 自信がついたらウォーキングイベントへ
IMLは誰でも参加でき、金メダルがもらえる/長距離歩くには/足のトラブル を防ぐ/飲食にも注意する
●ウォーキング指導員のための実験情報——私が20kmを歩いてみました
第4章 足跡からわかる、歩くときの「くせ」
人間が歩けるようになるまで/歩く「くせ」が現れる足跡
第5章 「歩く」と「走る」の比較
伸ばされた筋肉のエネルギーを使う/歩いたほうが楽、走ったほうが楽の「境い目のスピード」/歩くときと走るときの床からの反力
第6章 歩くスピードと歩幅の関係
スピードで変わる歩幅/歩幅を測ってみる/着地するとき足の裏のどの部分に力が加わるのか/歩幅を広げると筋肉の活動が盛んになる
第7章 歩くスピードとエネルギー消費量
いろいろなウォーキングでのエネルギー消費量/エネルギー消費量にみられる男と女の差/歩くときのからだの上下動/自由歩行は経済スピード/歩いて100kcalを消費する時間
第8章 エアロビックエクササイズとアネロビックエクササイズ
運動に使われるエネルギーには、酸素のいるものといらないものがある/大きな努力を必要とする運動は、なぜ長続きできないのか/不思議なポイント「無酸素性作業閾値」/遅筋線維と連筋線維/トレーニングをすると、なぜ運動は長くできるようになるのか/省力化で「閾値」まで運動する機会がなくなった
第9章 階段の上がり下りで、脚の筋肉を鍛える
階段を上がるときと、下りるときの力/上がり下りのエネルギー消費量/脚力を鍛える
第10章 60歳をすぎると、歩き方が変わる
加齢に伴って歩くスピードは減少する/高齢者がゆっくり歩く理由/日本人にみられる加齢と歩き方の変化
第11章 よく歩く人は長命である
山道を歩く生活がもたらす長寿/職種の違いによる死亡率/追跡調査した研究結果
第12章 年をとっても、速く歩けるようになる
高齢者が筋力トレーニングをした/筋カトレーニングのプログラム
第13章 ウォーキング習慣と病気の予防
疫学的研究と実験的研究が明らかにしたこと/アメリカでまとめられた研究結果/脳のはたらきに対する運動実践の効果/脳のはたらきを活発にして認知症を予防する/よく歩く人と免疫の関係——よく歩く人は感染症にかかりにくい
●カラーページ「いろいろなウォーキング」
国際マーチングリーグ/日本マーチングリーグ/里山あるき/北海道で構想される「フットパス」/ノルディックウォーク/水中ウォーク/雪上ウォーク/IVVオリンピアード大会
第14章 「歩く」は、骨密度の減少を防止する
骨密度に関わる因子/骨密度への運動の影響/骨密度の減少抑制に効果のあったウォーキング
第15章 「歩いて減量」が最も安全
エネルギー収支のアンバランス/肥満の判定法/食べる量を控えて運動をする/脂肪だけが燃えることはない
第16章 流行し始めたノルディックウォーク
ウォーキングに利用される負荷/ストックを使って歩く/ストックに慣れるまで/ノルディックウォークの利点
第17章 温水プールで歩いてみませんか
水中運動の特徴/水中運動の効果
●実践方法——やってみよう! 水中ウォーキング
第18章 雪の上を歩いてみよう
雪の上を歩く用具の発明/歩くスキーの板の特徴/ちょっと練習すれば歩けるようになる/歩くスキーを行うときの注意/和かんじきの雪上ウォーク
第19章 手押し車を利用して歩行能力の回復を
どんな人が必要とするのか/どんな機能が必要か/発売されている手押し車を検証してみる
第20章 あなたの体力レベルはどの程度ですか
健康状態の自己診断/高齢者向け「基礎生活体力」測定法
おわりに
●主要ウォーキング大会・コース一覧
●附 ウォーキング日誌
【訂正】
p.40 左段、下から5行目
時速約5.5km(75〜78m/分)と報告されています。
とありますが、正しくは
時速約4.5km(75〜78m/分)
となります。
訂正し、お詫び申し上げます。
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