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Sportsmedicine No.69 Contents April, 2005
月刊スポーツメディスン 4月号 通巻69号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 骨を鍛える強い骨を保ち、力をうまく使うために
「骨がある」「骨が折れる」「骨休め」など幅広い表現がなされる「骨」についての特集。転倒予防も大腿骨頚部骨折を避ける意味合いが強い。骨粗鬆症も高齢者に限った問題ではない。一方、「コツ」と言われるように動きや技術の要諦から「骨の使い方」という視点も出てくる。この特集では、骨の基礎的知識から動き・運動、食事との関係までを紹介する。
林 ○史、鳥居 俊、(財)骨粗鬆症財団、殖田友子、矢田部英正


■連載その他
Topic Scanning
新しい流れを読む
メタボリックシンドロームと運動療法——第23回臨床運動療法懇話会より

Body Work for Relaxation
気づきを通じたリラクセーション——フェルデンクライスメソッドからのアプローチ
臥位での初級・中級・上級エクササイズ
深沢悠二

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ——ドイツの運動科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その9
綿引勝美、高橋日出二

Stretching and Training for Injury Prevention
障害を予防するストレッチングとトレーニング
肩におけるスポーツ障害のリハビリと野球肩の筋群の強化(下)
堀居 昭

Sportsmedicine People Interview
演劇からスポーツウェア開発へ
奈良崎知子

Editorial Report
話題の最前線
健康づくりの拠点としての「銭湯」

Exercise for the Knee
膝OAのための「ヒザイタ改善エクササイズ」
連載再開「エクササイズ紹介」の前に
小谷さおり

Foam Roller Exercise
フィットネスクラブでのプログラム その2
山下光子

スポーツの「芯」
チョモランマに挑む女性登攀隊
山田ゆかり

特集 骨を鍛える
 日常、からだを動かして生きているが、ほとんどの場合、骨を意識することはない。しかし、よく考えてみると日本語には「骨」を使った表現は多い。骨が折れる、骨に沁みる、骨を惜しむ、骨休め、骨組、骨抜き、骨っぽいと、いくらでも出てくる。政治の世界では「骨太」も流行っている。もちろん、英語にもboneを使った表現はあるが、日本語ほどではなさそうだ。それくらい昔の日本人は骨を感じて生きていたということになるだろう。また、どうも骨は骨そのもの以上に、からだ全体のニュアンスも含まれている。実は、まさに骨はそのようなものなのだと取材してわかった。
 特集1の林先生(P.6)は、骨や骨粗鬆症の第一人者であり、現在は東京都老人医療センターの院長を務めておられる。東京都板橋区にある同センター(711床)の玄関を入ってすぐのところに院長室があり、気さくにインタビューに応じていただいた。林先生の話は、わかりやすい比喩が多く、それは著書についても同様である。骨は家で言えば柱になるが、骨は血中のカルシウム濃度を一定に保つ働きもしているとか。骨の代謝の話も出てくるが、まさに骨は生きている。骨を感じて生きるのもなかなか面白そうだ。
 特集2では財団法人骨粗鬆症財団(P.11)を訪れ、各種データをいただいたが、このデータをみているだけで、骨粗鬆症について多くのことを知ることができる。今後同財団のホームページでは「骨粗鬆症外来」のデータを充実させていくとのこと。時々チェックしていただきたい。
 特集3の殖田さん(P.15)は、アスリートの食事指導の経験豊富だが、運動と栄養はアスリートのみに重要なわけではない。高齢者であろうが、子どもであろうが、中年であろうが、みな共通である。したがって、さまざまな人に栄養指導や講習を行っている。その殖田さんに骨によい食事について聞いていくと、結局は和食が一番ということになる。世界に誇れる食事文化をもっと大事にしなければいけないと思う。
 特集4の鳥居先生(P.18)は整形外科医であり、スポーツドクターとして知られる。年齢別の話が出てくるが、高齢者もそうだが、子どもの骨折が大きな問題とされている。子どもの体力不足、学力低下が指摘されているが、多くの人が指摘するように、それは社会全体の問題でもある。各方面でいろいろなアプローチがなされているが、子どもについてはまた改めて取り組むことにしよう。
 特集5の矢田部さん(P.21)は「姿勢」の特集で登場していただいたが、今回は、2階の和室に入れていただいた。茶道もたしなむ矢田部さんらしい和室で、編集部の長谷川がモデルになったが、確かに骨を「真っ直ぐ」にしたあとの立ち姿は「すっと」していた。元体操選手の矢田部さんは、スポーツもよく見ておられ、体操はもとより陸上、スケート、野球など、選手の動きを細かく観察しておられた。「骨を使う」ことができる選手は動きにムダがない。生活を楽しく充実したものにするうえでも、「骨で動く」コツは身につけたいものである。(清家)

連載その他
 深沢先生(P.29)の連載は、今号より初級・中級・上級に分けてエクササイズを紹介していく。今までの高齢者のためのレッスンが初級、忙しい人のためのレッスンが中級、もっと動きを意識するレッスンが上級に相当している。
 ホッホムート氏にインタビューをした綿引先生の連載(P.33)では、科学者と指導者、コーチの関わりについて触れられた。それぞれが独自の立場から選手を評価していくわけだが、主観的・客観的に集められたデータをどうパフォーマンスにつなげるか。いかに指導者、科学者が対等に評価し合えるかが重要となる。
 前号に続き、堀居先生(P.36)には肩におけるスポーツ障害のリハビリと野球肩の筋群の強化について取り上げていただいた。今回は大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、肩腱板の強化である。ぜひ現場で活かしてほしい。
 インタビュー(P.40)に登場していただいた奈良崎さんは、スポーツウェア開発者。スポーツ、運動をする際にウェアは欠かせない。各年代、性別によって好まれる機能・デザインについて語ってもらった。
 不定期に連載している話題の最前線では、変わりつつある銭湯を取り上げた。銭湯の数は減少の一途をたどっているが、健康づくりの拠点として新たな位置づけがされ、05年度より本格的な取り組みがスタートする。地域に根付いた場所での健康増進に期待がかかる。
 小谷さんの連載(P.45)は今号より再開、「『エクササイズ紹介』の前に」と題し、膝OA、クライアント、その他諸情報を挙げていただいた。現場の指導者が直面する出来事を体験を交えて紹介している。
 フォームローラーエクササイズ(P.48)は、山下さんによるフィットネスクラブでのプログラムの第2弾。今回は四つん這いから座位、膝立ちまでのエクササイズ。フィットネスクラブに出かける前に、予習を兼ねて一読することをお薦めする。
 スポーツの「芯」で山田さんが紹介した橋本さんは、日本と中国の女性による医学学術登山隊としてチョモランマに挑む。「自分と向き合うことの大切さを山は教えてくれる」と橋本さんは言うが、スポーツ・運動をする場が、生活になかの大切な部分として、多くの人に広まっていくこが望まれる。(長谷川)

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