スポーツ医科学基礎講座3
測定と評価 改訂増補第2版
現場に活かすコンディショニングの科学
For Practical and Scientific Conditioning Measurement and Assessment

山本利春著
B5判 192頁 並製 本文横組13級
定価3,000円(+税)

1993〜98年、トレーニング・ジャーナル誌で隔月連載された内容に加筆、修正を加えたのち再編集、新たな章も付してまとめたのが本書『測定と評価』です。
本来、トレーニングもコンディショニングも「測定と評価」から始まりますが、現実には面倒であることと、方法がよくわからないことから、なおざりにされていることが多い分野でもあります。
本書は、毎年500人を超える新入生に対して体力や機能の測定・評価を続けてきた著者ならではの経験と工夫に満ちた、まさに現場でどう測定し、その結果をどう活かすかをまとめた本です。スポーツ科学の基礎をわかりやすく、また現場に則してまとめた本です。

■著者による序文 「はじめに」より抜粋
 スポーツ選手のコンディショニングを行っていくうえで、「測定と評価」をどのように役立てるかというテーマは、現実的ではあるが意外に取り上げられていない感が強い。例えばスポーツ選手の体力テストに関しても、未だに古くから行われていた一般的なスポーツテストにゆだねてしまう場合が多い。競技力向上のためのトレーニング処方や能力判定をねらいとするならば、各スポーツ種目の持つ競技特性を踏まえ、スポーツパフォーマンスにつながる体力要素の項目を選択していく必要がある。また、スポーツ傷害の予防のための機能チェックやリコンディショニングをねらいとするならば、各スポーツ種目の特性に応じた傷害発生原因との関連性で評価できる内容を選考する必要がある。
 このように、しっかりとした科学的根拠を持った方法を、スポーツの現場に普及させることが重要であり、そのためには科学的な観点からコンディショニングを追求し、より実践的で現場に役立つ研究の成果をスポーツ現場にフィードバックしていくことが急務であると思われる。

■著者紹介
山本利春(やまもと としはる)
1961年静岡県生まれ。順天堂大学体育学部健康学科卒業、同大学院体育学研究科修了。現在、国際武道大学体育学部スポーツトレーナー学科助教授、同大学大学院武道・スポーツ研究科兼任、医学博士(整形外科学)。日本体育協会公認アスレティックトレーナーマスター、第3回世界陸上競技選手権大会日本代表選手団トレーナー。日本ライフセービング協会理事、医科学委員長、同協会公認インストラクター。
主著に『チューブトレーニングとリハビリテーション』(山海堂)、『柔軟性トレーニング』監訳(大修館書店)、『アクアティックリハビリテーション』共訳(ナップ)などがある。特にスポーツ傷害の予防やリコンディショニングなど、スポーツ現場に役立つ実践的な研究を行うかたわら、トレーナーの指導・育成に力を注いでいる。

■目次
はじめに
I 体力測定の意義
1.体力測定とは何か?
2.スポーツ傷害予防のための測定・評価の考え方
3.新人選手のための体力測定
4.健康に関連した体力の測定・評価

II 筋力
5.筋力のみかた
6.筋力評価法の誤解

III 身体組成
7.身体組成のみかた
8.皮下脂肪厚測定による身体組成の評価とその注意点
9.体脂肪とパフォーマンス

IV 柔軟性
10.柔軟性のみかた
11.傷害予防と競技力向上における柔軟性評価の意義
12.発育期の柔軟性低下とスポーツ傷害

V 関節不安定性(関節弛緩性)
13.関節不安定性のみかた

VI アライメント
14.アライメントのみかた
15.ランニング障害予防のための下肢アライメントの評価
16.足アーチの測定と評価

VII 傷害予防と競技力向上に役立つ測定・評価
17.体重支持力の評価
18.重量級選手の体脂肪率と脚筋力の評価
19.力の立ち上がりの評価
20.トレーニングマシーンを用いた脚筋力測定法の提案
21.腹筋力評価法としての上体起こしテストの妥当性
22.ハムストリング肉ばなれの発生と脚筋力
23.間欠的パワーテストからみた瞬発力と持久力
24.パワーの発揮様式からみた競技選手の体力特性
25.素早い動きの評価としてのステッピングテストの有効性
26.下肢筋力が簡便に推定可能な立ち上がり能力の評価

VIII 各種コンディショニングの科学的裏付け
27.テーピングの有効性を測る
28.ストレッチングの有効性を測る
29.運動後のアイシングの効果を測る
30.ライフセーバーの救命活動時の運動負荷を測る
31.アクティブレストの有効性を測る
32.足関節筋力に及ぼすチューブトレーニングの効果を測る
33.SAQトレーニングの有効性を測る

APPENDIX
付章1 測定・評価の実施、データ加工、フィードバックについて
1.測定項目の選択
2.測定データの加工、フィードバックについて

付章2 測定・評価の実際と現場での応用
1.運動機能のチェックシステム
2.現場で行う運動機能評価の仕方とリコンディショニングの実際

■正誤表
p.40右段、最終行
(誤)ローレル指数=体重/身長3×107…160以上肥満
(正)ローレル指数=体重/身長3×107…160以上肥満

本書内容見本
本書の一部内容が閲覧できます。
I-2.「スポーツ障害のための測定・評価の考え方」
VI-12.「アライメントのみかた」


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I-2(96k)

VI-12(160k)

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