特集頁例
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Sportsmedicine No.101, 2008
月刊スポ-ツメディスン 6月号 通巻101号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 メディカルストレッチング--筋と脳の再教育という考え方
丹羽先生には本誌74、76、84、92号で登場していただき、多(二)関節筋を緩めて伸張するというメディカルストレッチングや筋の再教育について紹介していただいた。その成果が、ここのところ2冊の書籍となって結実している。この特集は、ちょうどその2冊目の本(金原出版)の刊行と重なる時期にあたる。丹羽先生たちのお仕事をこの特集で一度まとめておきたいと考え、愛知医科大学運動療育センターを訪れた。過去の号とともに読んでいただければさいわいである。

*この特集は、丹羽先生に取材したものであるが、『メディカルストレッチング』(金原出版、2008)の内容をベースにしている。したがって、その内容は、同書の共著者(P.9参照)をはじめとする丹羽先生グループ(高柳富士丸、宮川博文、山本隆博、稲見崇孝の各氏)による。

丹羽滋郎・愛知医科大学運動療育センター参与
1 はじめに
2 「メディカルストレッチング」の誕生
3 メディカルストレッチングと筋と脳の再教育〔実践編〕


The Athlete’s Voice
競輪選手はストレッチをしない?
今井裕介・競輪選手

身体がスムーズに動く状態にもっていき、バランスを整えるために行うストレッチ
吉田輝幸・パーソナルトレーナー

Topic Scanning
東海大学「産学連携プロジェクト・健康医科学研究」の発足--真の健康医療の確立を目指して

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
エストニアのサウナと湖での釣り
宮下充正・東京大学名誉教授

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ--ドイツの運動科学理論とともに
ちいさな国のおおきな闘い! その26
高橋日出二・ライプチヒスポーツ科学交流協会(コレスポ)事務局長、綿引勝美・コレスポ幹事、鳴門教育大学

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」--身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例7
「不眠で悩むアスリート」に効果のある経絡ストレッチとツボ刺激
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Trainers Activity
JATACのトレーナー実践活動
種目別Ⅷ サッカー
吉塚亮一、吉岡紀浩 JATAC福岡

Contribution
寄稿
高い運動強度のインターバル・トレーニングでも、短い期間で全身持久力は向上するか?
宮下充正・東京大学名誉教授

Body Potential
動きへのはたらきかけ
バランスをとるための腕や脚の動き
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Exercise File
File 1 医療現場のボールエクササイズ
女性の不定愁訴改善[解説編]
石井紀夫・医療法人清心会藤沢病院

File 2 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
効果的な指導を再会教室で提供する その3
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

File 3 忙しい人のためのフェルデンクライスメソッド
脳を鍛えるからだのレッスン 最終回--広げる、伸ばす、転がる
フランク・ワイルドマン博士・フェルデンクライストレーナー、訳:藤井里佳・フェルデンクライスプラクティショナー

Hida Report
連載「飛騨通信」
交流の第一歩〜西表船浮へ出かけた
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師


 名古屋駅から地下鉄に乗り、「藤が丘」という駅で降りる。そこからバスで10分程度で愛知医科大学に着く。その広いキャンパスの一画に運動療育センターがある。大きな体育館のような建物で、医科大学附属としては日本初の健康増進施設である。昭和62年の開設。丹羽先生は、その開所以来ずっとそこで運動指導や研究などに携わってこられた。整形外科医としてはやはり手術が中心になる。しかし、患者さんの悩みは手術だけで解決するわけではない。むしろ、手術するほどではなくても、困っている人はたくさんいる。「そんな方に、医師として何ができるのか」、そう思ってきたと言う。
 その運動療育センターでは、膝や腰、肩などの痛みをかかえる人を対象とした教室も開かれている。そこでの経験から出てきたものが、「メディカルストレッチング」であり「筋と脳の再教育」である。
 膝が伸びないという人に、じゃあ曲げたままでやってくださいと、膝を曲げたままストレッチングをしたら、膝が伸びるようになってきた。そこから考え始めた。まさに「患者さんが教えてくれた」ということになる。
 それは二・多関節筋への注目であり、地上という重力がはたらく生活でできた脳の中のソフトという発想であった。
 半年も1年も手が挙がらないとか、正座ができないという悩みをかかえる人がその場で「手が挙がった!」と喜ぶ。立ち上がれなかった人が、ちょっとした運動で立ち上がれるようになる。歩けないと言っていた人が歩けて、自分でパチパチと拍手した。そういう話がたくさんある。
「まるでマジックみたい」ということで「マジック体操」と呼ばれるようになった。もちろん、マジックではなく、その後丹羽先生グループは、さまざまな研究を進め、データをとり、論文としても演題としても発表してきた。本誌でも74号、76号、84号、92号で、丹羽先生グループに登場していただき、それぞれメディカルストレッチングや意識を集中して行う筋力トレーニング、無負荷や低負荷でのトレーニングなどを紹介していただいた。
 そのお仕事が『メディカルストレッチング』という本としてまとめられることになった(金原出版)。それを機に、本誌でもこれまでの成果をまとめてみることにした。それが今月の特集である。
 その概要と個々のストレッチングやエクササイズがわかるようにしたが、詳細については同書にあたっていただきたい。
 丹羽先生グループの研究や実践活動はまだまだ発展することだろう。またそのときには本誌でも紹介していきたい。
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