特集頁例
msm102.pdf(*注1)


(*注1)書籍サンプルを閲覧するにはAdobe Acrobat Readerが必要です。
お持ちでない方は↑ボタンよりダウンロ-ドして下さい。

Sportsmedicine No.102, 2008
月刊スポ-ツメディスン 7月号 通巻102号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)

■特集 足底板の現在--何がどう変わったか
13年前、本誌17号で「足底板」の特集を組んだ。それ以前からあったものに比べ、スタティックアライメントからダイナミックアライメントの視点から「動きを変える」足底板が登場してきた時期であった。ちょっとした違いが足から下肢、そして身体全体の動きに変化をもたらす。治療、予防、そしてパフォーマンス向上にも役立つものとして注目された。それから13年たち、またその進化が顕著になってきた。今回は、何がどう変わったのか、本質は何かを探ってみた。

1 はじめに

2 「入谷式足底板」の現在
入谷 誠・㈲足と歩きの研究所代表取締役、理学療法士、鍼灸師

3 機能的足底板「FOI」の意味するもの
川野哲英・FTEXインスティテュート代表、はちすばクリニック
■FOIによるアプローチ例
吉村直樹・やまぎわ整形外科、理学療法士、FTEXインスティテュート会員

4 サイエンスの心をもって足底板をみていきたい
大久保衞・びわこ成蹊スポーツ大学副学長、教授、整形外科医


Topic Scanning
水中運動とネットワークづくり--ヤマハスポーツ文化フォーラム開催

Prevention of Baseball Injuries Ⅱ
新連載 続・投球障害の予防と対応
肩の機能的なみかたと治療--信原克哉(信原病院・バイオメカニクス研究所)先生に聞く
能勢康史・コンディショニングコーチ

Sports Clinic Report
スポーツクリニック訪問
成長期アスリートへの「スポーツ傷害予防プロジェクト」の発信--大場整形外科(大分県大分市)

My Fishing Days
70歳からのフィッシング
北翔大学「北方圏生涯スポーツ研究センター」と留萌での釣り
宮下充正・東京大学名誉教授

Sports Science Essay
「間」の考察から運動そのものへ--ドイツの運動科学理論とともに 最終回
ちいさな国のおおきな闘い! その27
高橋日出二・ライプチヒスポーツ科学交流協会(コレスポ)事務局長、綿引勝美・コレスポ幹事、鳴門教育大学

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」--身体の異常診断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状が改善した例8
腰痛で悩むアスリートに効果のある経絡ストレッチとツボ刺激(その1)
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校専任教員

Trainers Activity
JATACのトレーナー実践活動 13
種目別Ⅷ バレーボール
走尾 潤・JATAC埼玉

Essay on the Picture
私の“一枚の絵”7
坐り方--「頼朝坐像」
渡會公治・東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室

Body Potential
動きへのはたらきかけ 15
頭とお尻の動き
橋本維知子・日本ボディポテンシャル協会主宰

Exercise File
File 1 医療現場のボールエクササイズ 4
ボールエクササイズを科学する--表面筋電図を用いた動作解析
高杉紳一郎・九州大学病院リハビリテーション部、ほか

File 2 介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
再会教室のイベント性を演出する
石井千恵・医療法人清心会藤沢病院

JISS Report 寄稿
北京五輪オリンピックに向けた最終準備--各国事前調整合宿が日本国内で行われることの意義
和久貴洋・国立スポーツ科学センタースポーツ情報研究部、ほか

Hida Report
連載「飛騨通信」
飛騨市とのかかわり
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師


「足底板」の特集を組んだのは13年前、本誌17号だった。DSI、FOIが登場、盛んにスポーツ選手や一般の人に使用され始めたころだった。以来、各先生方の研究と実践は続き、さらに理論や技術、また材料や部品などが進歩していった。
 長く足底板の記事を掲載していないこともあり、この辺で一度、「足底板の現在」を取材してみようと考えた。
 以前は昭和大学藤が丘リハビリテーション病院に勤務されていた入谷誠先生(P.6)は、現在横浜市青葉区で「足と歩きの研究所」を立ち上げ、今年で10年目。13年前に聞いたときの説明は実はよくわからなかった。今回取材したとき多数の資料とともに解説していただき、「入谷式」の意味がおおよそつかめた。医療従事者を対象にセミナーも展開されているそうで、「考えを伝える」という機会も多くなってきたのだろう。今回は、その「入谷式」の考え方の概要を掲載した。実はもっとたくさんの資料をいただいたのだが、ページ数に限界があり、まさに割愛した。また別の機会に紹介させていただくことにしよう。
 川野哲英先生(P.13)は、FTEXインスティテュートの代表として、ファンクショナルテーピング、同エクササイズ、同マニュアルセラピーとともにFOIを考案、技術検定も行ってこられた。なぜ足底板を開発しようとしたかについては、本文中で語られているが、身体を機能(ファンクション)からみていこうとするその一貫した姿勢は変化することがない。すべてに足底板で対応しようとするわけでもなく、ひとつの有力な道具として活用していく。当然と言えば当然だが、その世界の広さと深さが語る言葉からうかがえる。
 吉村先生(P.16)には、FOIの症例を紹介していただき、FOI作製についても述べていただいた。現在京都のやまぎわ整形外科に勤務しながら、地域に根差したさらに広範な活動にも着手されている。それについては、後日紹介させていただこう。
 大久保衞先生(P.17)に足底板の話を聞くためにびわこ成蹊スポーツ大学へ。先生の手元には科学的データが多数あり、個々のデータについて解説していただいた。「アート」の重要性は認めながらも、サイエンスとして足底板を捉えたい。サイエンスによるアプローチをもって足底板の作製を誰もができるものにしたいという考えは、たしかに困難な道であろうが、エビデンスの蓄積がいつかあるラインを超えることにつながるだろう。
 今回は、佐々木克則先生や内田俊彦先生のお仕事については時間と誌面の関係で詳しく紹介することができなかった。ほかの先生のお仕事も含め、改めて続編を考えたい。
Copyright (c) 2004 Book House HD Ltd. All Rights Reserved.