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Sportsmedicine No.124, 2010
月刊スポ-ツメディスン 2010年9・10月合併号 通巻124号

A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,100円(1,000円+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)


■特集 アフリカからのメッセージ
--ケニアのマラソントレーニングとサッカー日本代表の高地順化戦略から学ぶ

3月28日〜4月10日、NHK・BSハイビジョン番組「夢の聖地へ ケニア・リフトバレー最強ランナーの秘密を探れ〜世界陸上金メダリスト谷口浩美〜」でケニアのマラソンランナーのトレーニングと生活の取材に帯同、現地を視察するとともに、ケニアマラソン選手の形態測定、心拍数測定などを行い、現在解析中の大後氏と、先のサッカーワールドカップ(W杯)日本代表チームにスポーツ科学者として、高地対策に参加した杉田先生にケニアのマラソンランナーの生活およびトレーニング、また各種測定からみえてきたこと、サッカーの高地順化戦略、日本のスポーツはどういう方向に進むべきか、などについて語っていただいた。なお、両氏の対談には、東京電力女子サッカー部のGMである小野氏にも参加していただいた。大後氏の現地レポートについては、P.20を参照していただきたい。

1  ケニアのマラソン、強さの秘密——マラソンランナーの練習、生活、モチベーション
大後茂雄・東京電力(株)労務人事部シンボリックスポーツグループ、同長距離・駅伝チーム強化部長
杉田正明・三重大学教育学部保健体育科准教授
小野俊介・東京電力女子サッカー部マリーゼゼネラルマネージャー

2  サッカー日本代表チームはいかにして高地での試合に備えたか
同上

ケニアレポート
ケニアのマラソン報告記
大後茂雄・東京電力(株)労務人事部シンボリックスポーツグループ、同長距離・駅伝チーム強化部長


Topic Scanning
新しい流れを読む
活気づく「スポーツ医学」——新たな時代のはじまりか

Seminar Report
セミナーレポート
第1回はがくれ野球共育セミナー開催

Yoga for Athlete
アスリートに役立つヨガ
スーリヤ・ナマスカーラ
石川由希子・全米ヨガアライアンス認定インストラクター、栄養アドバイザー

Editorial Report
話題の最前線
教育・評価・研究を3本柱にした市の研究施設——「身体教育医学研究所うんなん」の先進的活動

Special Articles
特別企画
膝スポーツ外傷・障害——第3回スポーツリハビリテーションワークショップ

Coaching&Management
新連載 高校野球のチーム運営を考えるスポーツ経営診断
勝つチームの条件を分析する
高柿 健・広島県立総合技術高校野球部顧問、岡山大学社会文化科学研究科組織経営専攻、中小企業診断士

Clinical Essay
日々の臨床から「診察室で行っている筋と脳へのアプローチ」
右親指の痛みが気になる——Fさん、55歳、女性、家庭の主婦の場合
丹羽滋郎・愛知医科大学名誉教授、同大学運動療育センター教学監

Life Skills Program
アスリートのためのライフスキルプログラム
コミュニケーション・スキルを高める指導例
村上貴聡・東京理科大学

The Challenge
アスリートの挑戦 番外編
フェンシング協会の挑戦2

Sports and Medicine
スポーツと医療の現場から考える
リハビリと選手の性格
河崎賢三・桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部准教授

Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」——身体の異常判断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状を改善しよう5
東洋医学の考え方(19)——食欲不振の対処法
朝日山一男・神奈川衛生学園専門学校

Physical Essay
からだのエッセイ「身体の森」
生きる身体〜からだ〜生命力
山田ゆかり・スポーツライター 早稲田大学非常勤講師 一般社団法人飛騨シューレ代表理事

Exercise File
File 1  セルフケアコンディショニングのすすめ
セルフケア(SCA)とセルフコンディショニング(SCO)——触覚ボール編
小谷さおり・一般社団法人日本セルフケアコンディショニング協会

File 2  介護予防に役立つ機能改善エクササイズ
指導の安全性を確保する
石井千恵・健康医科学協会


 東京電力の大後茂雄さんがケニアに行くという話は事前に聞き、帰国後、杉田正明先生との対談をしましょうということになっていた。そのときは特集でとはまだ考えていなかった。帰国後、大後さんからケニアレポートが送られてきて、そのレポートと写真を見ているうちに、「これは何回かに分けて掲載するより、一回にまとめ特集でやるほうがいい」という考えに変わった。東京電力本社での対談には、同女子サッカー部のゼネラルマネジャーである小野俊介さんも参加、実際のケニアのマラソンランナーのトレッドミル上でのランニングフォームも観察しながらの座談会となった。座談会にはフットプリントの実物と心拍数のグラフなども用意していただいたが、その解析はこれからとのことで、今回は紹介しなかったが、結果が出た段階で掲載できればと考えている。
 この特集のテーマは2つになる。ひとつは、カプサイトキャンプには2時間6分台が5人もいるというケニアのマラソンランナーはどういうところでどういうトレーニングと生活をしているのか。日本の選手が学ぶ点はどこなのか。もうひとつは、高地で開催されたサッカーW杯で、日本代表チームの高地順化を担当された杉田先生の考え方と実際に行ったこと。日本代表チームの高地順化は特殊すぎるのではないかと思う人もいるだろうが、体調管理の仕方、とくに尿検査の活用、チームスタッフとの連携などはどのチームにも通じることではないだろうか。
 それにしても、ケニアのマラソンランナーは朝の練習は起床後すぐで、あとは寝ていて夕方50分程度のジョグというのはいったいどういうことだろう。アップもダウンもとくにはしないようだし、食事も1日3000kcalという。故障も少ないようで、つま先着地といい、科学的解明が待たれる。まだマラソンの記録はのびていくことだろう。どんどんスピードが速くなり、いつか2時間をきる日もくるかもしれない。短距離ではボルト選手がとんでもない記録を出しているが、はたして日本人がいかにこの分野で戦っていくのか。ケニアの真似をすることもないが、学ぶべき点は学んだほうがよい。陸上やサッカーの関係者のみならず、多方面で参考にしていただきたい内容である。(清家)


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