Sportsmedicine No.150, 2013
月刊スポ-ツメディスン 2013年5月号 通巻150号
A4変型判 52頁 中綴じ 定価1,000円(+税) クリアランスセール特価550円(500円+税)[品切れ]
年間購読料11,000円(10,000円+税)
■特集 足関節捻挫
──競技復帰へのアプローチ
スポーツ現場では日常的に発生する足関節捻挫。選手の間では、捻挫はケガのうちには入らないという声も多いが、実際には受傷後のパフォーマンスに少なからず影響を与え、長期的にはさらに問題を発生させることがある。これまで足関節捻挫の特集は何度も組んできたが、ここで改めて「競技復帰」に焦点をあて、5人の先生に、リハビリテーションあるいは運動療法の視点から、各氏が実践してこられた内容を紹介する。これまであまり言われていない視点もあり、大いに参考にしていただける内容である。
1 足関節捻挫後の機能的不安定性に対する経皮的電気刺激
吉田隆紀・関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科
2 慢性足関節不安定症と足関節異常キネマティクス
小林 匠・広島国際大学医療・福祉科学研究科医療工学専攻、医療工学修士、理学療法士
能 由美・いまむら整形外科医院リハビリテーション科、理学療法士
米田 佳・小林病院リハビリテーション科、医療工学修士、理学療法士
貞清正史・貞松病院リハビリテーション科、理学療法士
蒲田和芳・広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科、学術博士、理学療法士・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
3 足関節捻挫から競技復帰する際のポイント
小柳好生・武庫川女子大学健康・スポーツ科学部准教授博士(医学)、日本体育協会公認アスレティックトレーナー
4 足関節捻挫後の競技復帰について
貴志真也・医療法人スミヤ 角谷整形外科病院、理学療法士・JASA-AT
5 足関節捻挫のスポーツ復帰へ向けた運動療法のポイント
相澤純也・東京医科歯科大学 医学部附属病院 スポーツ医学診療センター アスレティックリハビリテーション部門 部門長、理学療法士 医学博士
特集頁例 msm150.pdf *注1
Topic Scanning
新しい流れを読む
運動神経科学の基礎基盤とリハビリテーションへの応用可能性──第3回脳神経科学セミナー
Contribution
寄稿 ケニア人ランナーの着地方法に関する考察
高嶋康司・箱根Town & Athletic Club
大後茂雄・箱根Town & Athletic Club
The Discussion
座談会 進化とスポーツ医学③
構造とケガ
濱田 穣・京都大学教授、京都大学霊長類研究所進化形態分野
渡會公治・帝京平成大学教授
村上元庸・医療法人社団村上整形外科クリニック理事長
鮫島康仁・小山整形外科内科クリニック院長
Essay on the Picture
私の“一枚の絵”
中高年の腰部脊柱管狭窄症と山歩き──その後
飛松好子・国立障害者リハビリテーションセンター病院 副院長
Sports and Medicine
スポーツと医療の現場から考える
スポーツと薬
河崎賢三・スポーツ整形外科医、桐蔭横浜大学 スポーツ健康政策学部 教授
Sports & Law
基礎から学ぶ「スポーツと法」
スポーツ指導と体罰
八木由里・スポーツ法政策研究会、八木法律事務所、弁護士
Meridian Stretch
「経絡ストレッチ」──身体の異常判断と修正が容易にできる
経絡ストレッチで症状を改善しよう 31
ランナーに起こりやすい傷害への対応(13)──短腓骨筋腱の炎症
朝日山一男・帝京大学医療技術学部准教授、鍼灸マッサージ師、日本体育協会公認AT、健康運動指導士、健康運動実践指導者
Physical Essay
からだのエッセイ「身体の森」
食の原点──飛騨にもやっと春がやってきた。
山田ゆかり・スポーツライター、早稲田大学非常勤講師、一般社団法人飛騨シューレ代表理事
前号149号で吉田隆紀先生(P.6)に「足関節捻挫後のパフォーマンス低下に対する新しい治療戦略-捻挫後に生じる機能的不安定性に対する経皮的電気刺激の効果について-」という寄稿を執筆していただいた。その内容に興味があり、ぜひ詳しく聞いてみたいと思った。それなら、「足関節捻挫」をテーマに、競技復帰をキーワードにして特集を組んでみようと考えたのがこの号である。
吉田先生には、機能的不安定性から説明していただき、「脳のマッピング」の変化という興味深い話をうかがった。こういう視点はなかったもので、経皮的電気刺激という方法についても、今後新しい視点で用いられる可能性を感じた。
次に、足関節捻挫について専門的に研究されている小林匠先生(P.11)に連絡し、「慢性足関節不安定性と足関節異常キネマティクス」というタイトルで執筆していただくことにした。この分野も新しく、今後の発展が期待される。
3番目に登場していただいたのが、小柳好生先生(P.16)。バレーボールなどで現場の経験が豊富で、現在は武庫川女子大学で教鞭をとっておられる。日本体育協会公認アスレティックトレーナーであり医学博士でもある。大学では各競技の選手もみておられ、その現場における重要な視点を提供していただいた。
4番目には、貴志真也先生(P.22)に、「足関節捻挫後の競技復帰について」というタイトルで聞いた。テーピングにおいても中間位を強調され、長母趾屈筋と長趾屈筋へまずアプローチするという。「足底交差」へのアプローチなども重要と思われた。
最後に、相澤純也先生(P.31)に、スポーツ復帰に向けた運動療法のポイントについて解説していただいた。まずは、スクリーニングで受傷機序を徹底的に分析するという姿勢は当然のようで実際にはなかなかできないことかもしれない。そこから行われる詳細についても写真とともに語っていただいた。
足関節捻挫の特集は何度も組んできたが、何度やっても奥が深く、今後も引き続きやってみたいと思うテーマである。新しい知見や対応をお持ちの方はぜひご一報いただきたい。なお、高嶋康司さんらに、ケニア人ランナーの着地方法に関する記事を寄せていただいた。ぜひ、ご一読を。(清家)
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